先ごろ、会社の畑で、ジャガイモを掘った。
出てくるのは、ピンポン玉に毛の生えた程度の大きさ。
みんな小さい。
あれれ!今年は不作だなぁ~って思っていた矢先、
近所の家庭菜園では見事な収穫ぶり。
どちらかというと、
火山灰的な土質でやせた感は否めない土地に見えるのに…
さぞ、肥料とかをどっさりと入れているものと、
勝手に憶測していた。
先日、その菜園の持ち主と話をする機会があった。
「今年は、会社のイモがぜんぜんだめだったのですけど、
ここは立派なのがごろごろしていますね!何が違うのですかね?」
と聞いてみた。
「土じゃないですか…」とのこと。
確かにいつも土をさわっている姿を目にする。
軽石を取り、土を鋤(す)いて、
枯れ草やコンポストで作った自家製の肥料を、施している。
あまり広くないその家庭菜園には、
いろんな野菜が植えられているが、
確かにどれもこれもよく育っている。
1m2当たりの収穫率はかなり高いであろう。
見ていて、ふと思った。
野菜そのものが持っている生命力というのか、
元気に成長したいという欲なのか分からないけど、
いい土は、それらの野菜の個の力をはぐくむのではないかと…
土の力、“土力”か!
選手を野菜に例えるのは如何なものかもしれないが、
サッカークラブも菜園も同じ様な気がする…
“土”に相当するのは、
クラブが掲げるミッション(使命)や
ビジョン(目指す姿)などの理念であり、
父母会やスタッフなどの支える組織である。
選手一人ひとりが、
元気でなかよく楽しく個性を伸ばすことができるよう、
“土”のなすべきことしっかり見極めていくことが
重要なのだろう。
「本当の園芸家は、花を作るのではなくて、土を作る」
チェコの作家、カレルチャペックのことば。
以前、新聞に載っていたこのことばを思い出す。
そうだよね、選手はいい環境(土)さえあれば、
自己の力でぐんぐん伸びていく。
そして、その時(収穫の時)がきたら、
見事な味の出る選手になる。
一見地味に見える土作りこそ、
われわれスタッフや父母会が力を注ぐべきことですね。
買ってきた科学肥料を大量に入れても、いい土は生まれない。
手塩にかけた自家製肥料(選手への真摯な思い)を、
手を抜くことなく入れつつ耕す努力が、土力になるかな…
再見!